「情報誘導手術」の有効性


東京女子医科大学で行われている「情報誘導手術」は、MRI・大型モニター・多数のカメラが設置されている手術室(インテリジェント手術室)で行われる、脳腫瘍を摘出するための手術です。従来の手術は外科医の経験と技術によって行われてきましたが、客観的で再現性のある情報に基づいた「情報誘導手術」を行うことにより、手術の成功確率を上げることが可能となりました。

「情報誘導手術」は手術中にMRI検査(術中MRI)を行うことにより、腫瘍の位置情報(解剖学的情報、ナビゲーション)、どこに重要な脳の働きをする場所があるかの情報(機能的情報)、摘出したものが腫瘍であるかどうかの情報(組織学的情報)を確認しながら手術を行うことができます。この導入により取り残しが少なくなり、腫瘍自体を最大限に摘出することが可能になりました。

言葉の神経(言語野や言語神経)に近いところの腫瘍を摘出する際には、患者様と話しながらの手術(覚醒下手術)によって言語障害(失語症)を最小限に抑えながら、運動神経が傷ついていないかをみる運動誘発電位を施行し、半身不随(麻痺)の出現を防ぎながら手術を進めます。一方、どこまでとるべきかを確認するためには、小さな組織を取り、それを手術中にインスタント診断(術中迅速診断)し、確認を行います。

腫瘍の体積を手術摘出後の体積を比較した96例の神経膠腫の平均摘出率は93%であり、麻痺や失語症などの後遺症は14%でした。またMRIでの画像上で異常と思われる腫瘍が全部摘出できた事例が44例もあり、「情報誘導手術」は今後も脳腫瘍の治療に大きく貢献すると期待されています。


http://www.cancer110.com/