がんの原因、第1位は「細胞の突然変異」


2015年1月に、サイエンス誌が、がんになる理由の第1位を発表しました。

一般的に知られているがんになる原因と言えば「紫外線で皮膚がんになる」や「喫煙で肺がんになる」などが最も世間に知れ渡っている原因だと思います。サイエンス誌が発表したがんになる理由の第1位は、「細胞の突然変異」だそうです。

研究者は、31種類のがん(信頼性の高い幹細胞の分裂速度を把握することができなかったため、乳がんと前立腺がんは除いたそうです)を調べたところ、そのうち骨、精巣、卵巣、すい臓がん、白血病を含む22種類においてこの結果が得られたと発表しています。

突然変異したDNAが人体の各部位にたまってがんになっているケースが、全体の65%(3分の2)にものぼったということです。

ただし、もちろんタバコや遺伝ががんと無関係なわけではありません。大きく関係しているのは事実です。実際、大腸がん、肺がん、皮膚がんなどは、他のがんよりも遺伝や環境要因によって発生する確率が高かったと報告されています。

それにしても、癌の発生原因の第1位が単なる「運」だったとは驚きですね。気を付けようと思っても、気を付けようがありません。

研究者は、このような突然変異によるがんから命を守るには、細胞硬化の段階で早期発見するための研究を進める必要があると話しています。やはり、がんと闘い、そして勝つためには、早期にがんを発見し、突然変異を起こしているがん細胞数が少ないうちに治療を行うことが重要なポイントになると言えるでしょう。

参考:livedoorニュース

http://news.livedoor.com/article/detail/9656319/


腎臓がんの局所療法


腎臓がんの局所療法として、「凍結療法」と「ラジオ波焼灼療法」を紹介します。

凍結療法

超音波(エコー)やCT(コンピュータ断層撮影)、MRI(磁気共鳴断層撮影)の画像で腎臓がんの位置を確認しながら、背中から注射針のような直径1.5ミリ程度のプローブをがんの中心に向けて刺します。そこでアルゴンガスを使ってがんを零下40度まで冷やし凍結させ、一旦ヘリウムガスで溶かし、再度アルゴンガスで凍結させます。この2度の凍結により、がん細胞を死滅させます。麻酔は、局所麻酔で行われます。

日本では1995年から臨床試験が行われており、2011年7月から「4センチ以下の腎臓がん」に対して行われる凍結療法は健康保険が適用になっています。

ラジオ波焼灼療法

凍結療法と同様、背中からがんに針を刺します。麻酔は局所麻酔で行い、がんの中心に針が入ったところで通電します。AMラジオ並みの高周波で患部を70~100度にし、がんを焼灼します。治療は30~60分程度で終了します。治療は針を刺して行うため、開腹や開胸を伴う手術と比べて、患者さんの体への負担はかなり少なく、手術が困難な患者様にも施行出来ることも大きなメリットの1つです。また、治療は何回でも繰り返し行うことができ、もし再発した場合にも再治療が可能です。更に、抗がん剤や放射線治療など他の治療と組み合わせて治療を行うこともできます。

腎臓がんに対するラジオ波焼灼療法は健康保険が適用になっていないため、治療費は全額自己負担となります。


腎臓がんのロボット支援手術


ロボット支援手術とは、「ダヴィンチ」という医療機器を使って、遠隔操作で行う手術です。2012年4月より、前立腺がんの前立腺全摘術に対して、健康保険が適用されるようになっています。腎臓がんに対しても、聖路加国際病院・名古屋大学医学部附属病院など限られた施設ではありますが、このロボット支援手術が行われるようになっています。

ダヴィンチは3つの部分からできています。まず、術者が患者さんの体内を3D画像で見ながらロボットアームを遠隔操作し、手術を行うサージョンコンソール。実際に患者さんの体内に入るロボットアームがついたペイシェントカート。それと手術をサポートするチームメンバーのために画像を写すビジョンカートです。

手術は、基本的には遠隔操作で行う腹腔鏡手術なので、5~6ヶ所の刺しキズをつけロボットアームと内視鏡を挿入するところは変わりませんが、腹腔鏡手術の欠点を改良し、より手術が行いやすいように改良されています。具体的には、以下のようなメリットがあります。

①遠近感のある3D画像が見えるため、自然な感覚で手術が出来ること。

②最大15倍の拡大ができるため、より精密に手術部を観察できること。

③ロボットアームを7方向に、人間の手指のようになめらかに動かすことができること。

さらに手振れ防止機能などもあるため、ロボット支援手術は患者さんだけではなく、医師側にもメリットの多い手術であるといえます。ただし現在では、まだまだ患者さんの経済的な負担が大きいので、そこが問題だともいえます。


腎臓がんの腹腔鏡下小切開手術


腎臓がんの腹腔鏡下小切開手術は、腎臓のある腰部に3~5センチ程度の切開を行い、その切開口から内視鏡や手術器具を挿入し、拡大された画像をモニターで見るとともに肉眼でも患部を見ることができる、拡大視と立体視を併用しながら行う手術です。

腎臓がんでは腹腔鏡手術も行われていますが、腹腔鏡手術の場合には、手術器具を挿入する3・4ヶ所の刺しキズが必要となり、また炭酸ガスで腹部を膨らませるため、まれにガス塞栓や肺梗塞などの合併症を引き起こす可能性もあります。腹腔鏡下小切開手術では、そうしたリスクもありません。

また腹腔鏡下小切開手術には、腹部にキズをつけないので、術後に内蔵の癒着のリスクがないこと、腎臓がんになる以前に腹部の開放手術を行った患者さんでも受けることができる、などのメリットもあります。

さらに腹腔鏡下小切開手術は、経済的にもメリットの大きな治療法です。腹腔鏡手術の場合は高価な使い捨ての器具を必要としますが、腹腔鏡下小切開手術ではそのような器具は使わないか最小限とするのでローコストの治療となり、経済的にも患者さんにやさしい治療であるといえます。


腎臓がんの治療


腎臓がんの治療は、基本的には転移がない場合、根治を目指した手術を行います。がんの発生した側の腎臓を周囲の脂肪を含めてすべて切除する「根治的腎摘除」がどのような場合でも標準治療でしたが、がんの大きさが4センチ以下の場合には、がんとその周囲をごく部分的に切除する「部分切除」も多く行われるようになっています。

もちろんすべての場合で、部分切除が行えるわけであはりません。腎臓は被膜に覆われていますが、がんがその被膜を超えて外に大きく広がってしまうと部分切除では対応が出来なくなり、根治的腎摘除となります。

手術の方法は、「開腹手術」・「腹腔鏡手術」・「腹腔鏡下小切開手術(ミニマム創内視鏡下手術)」があります。いずれの手術も、根治的腎摘除に対しても部分切除に対しても行われます。

この中で最も古くから行われてきた手術が、開腹手術です。ただし開腹手術の場合、腹部を20~30センチ程度切開して行うため、患者さんのからだに対して負担が大きい治療だといえます。入院日数も長くなり、手術後のキズの痛みも辛いため、最近では根治的腎摘除の場合でも、からだに負担の少ない腹腔鏡手術を行う医療機関が増えてきています。


腎臓がんの治療法を決めるTNM分類


腎臓がんの広がりを精密検査で明らかにして、その状態をTNM分類で表します。Tは「腫瘍の大きさと周囲への広がりの程度」、Nは「リンパ節への転移の程度」、Mは「遠隔転移の有無」です。TNM分類は治療法を決め、予後を推測するうえで基本となる重要なものです。

T分類

T1a:最大径4センチ以下で腎臓に限局する腫瘍。

T1b:最大径が4センチをこえるが、7センチ以下で腎臓に限局する腫瘍。

T2a:最大径が7センチをこえるが、10センチ以下で腎臓に限局する腫瘍。

T2b:最大径が10センチをこえるが、腎臓に限局する腫瘍。

T3a:肉眼的に腎静脈、その分岐に進展、または腎臓周囲脂肪組織および(または)腎洞脂肪組織に浸潤するが、ゲロータ筋膜(腎臓を包んでいる筋膜)をこえない。

T3b:肉眼的に横隔膜下までの下大静脈内に進展する。

T3c:肉眼的に横隔膜をこえる下大静脈内に進展、または下大静脈壁に浸潤。

T4:ゲロータ筋膜をこえて浸潤、または副腎へ連続的に進展。

このT分類にN・M分類を加えたステージは、以下のようになります。

ステージⅠ:T分類がT1でリンパ節転移も遠隔転移もない。

ステージⅡ:T分類がT2で、リンパ節転移も遠隔転移もない。

ステージⅢ:T分類がT1またはT2で、リンパ節転移は1個あるが遠隔転移はない。あるいは、T3でリンパ節転移は1個以下で遠隔転移はない。

ステージⅣ:T分類がT4で、リンパ節転移に関係なく、遠隔転移がない。またはTに関係なく、リンパ節転移が2個以上あり、遠隔転移がない。またはTやリンパ節転移に関係なく、遠隔転移がある。

ステージⅣになると遠隔転移の場合もありますが、腎臓がんの場合、肺・骨・肝臓に転移しやすいことがわかっています。


無症状で発見される腎臓がん


腎臓は腰の高さの背中側に、左右対称に1つずつある臓器です。長さ10~12センチ、幅5~6センチ、厚さ4~5センチで、そら豆のような形をしています。血液を濾過して尿を作り老廃物を排出したり、体内の水分量やナトリウム・カリウム・カルシウムなどの電解質をコントロールするなど、非常に重要な働きをしています。

腎臓がんは確実に罹患者数・死亡者数ともに増えてきており、年間の罹患者数は約1万人、年間の死亡者数は約4千人となっています。50歳くらいから罹患者数が増え、70歳代がピークとなっています。男女比では男性が2~3倍、罹患者数が多いといわれています。

腎臓がんの特徴的な症状は、以下の3つです。

①肉眼でもわかる、痛みを伴わない血尿。

②脇腹の痛み(腰痛)。

③脇腹を触ってわかるシコリ(触診できる腫瘤)。

血尿以外で腎臓がんが発見された場合、がんは進行している場合が多く、がんが進行するにつれ、発熱、貧血、食欲不振、体重減少などの症状もでてきます。現在は定期健診の超音波検査や他の病気で受診をした際に、無症状で発見される患者さんが大部分を占めています。

腎臓がんが疑われる場合には、「超音波(エコー)検査」、「CT検査」、「MRI検査」が行われます。精密検査の結果、腎臓がんのステージが分かると、その状況に応じた治療が行われることになります。


再発した前立腺がんに対するホルモン療法


従来前立腺がんのホルモン療法は、再発・転移といった進行がんに対して行われていましたが、現在では早期のがんに放射線療法と併用することも行われており、また何らかの理由によって手術や放射線療法が受けられない場合にも行われています。

前立腺がんは男性ホルモンに依存しているため、男性ホルモンを取り除くと急激に勢いを失います。ホルモン療法は体中の前立腺がん細胞に影響を与えることから、局所再発・遠隔転移のどちらにも効果を発揮します。一般的に、治療は長期間継続して行います。

ホルモン療法は使用する薬により、大きく2つの方法があります。

①男性ホルモン除去治療

精巣からの男性ホルモンの分泌を抑える治療で、「LH-RHアゴニスト」を使用します。4週に1回、または12週に1回皮下注射を行います。気になる副作用には「骨粗鬆症」・「筋力低下」・「体重増加」・「意欲低下」などがあります。副作用が強い場合には、数か月間治療を行い、その後一旦治療を中止し、PSAが再度上昇してきたときに治療を再開する「間欠ホルモン療法」が行われます。

②抗男性ホルモン剤治療

血液中の男性ホルモンが、前立腺がんに作用することをブロックする薬を使用します。日本では、ビカルタミド・フルタミド・クロルマジノン(いずれも内服薬)が認可されています。多くの場合、LH-RHアゴニストとの併用(CAB療法)、もしくはLH-RHアゴニストが単独で使われます。

注意すべき副作用には、ビカルタミド・フルタミドでは肝機能障害や女性化乳房、クロルマジノンでは男性機能低下や女性化乳房があります。


前立腺がんのHIFU治療


前立腺がんの根治治療のひとつに、HIFU(高密度焦点式超音波療法)があります。HIFUは、まだ健康保険の適用にはなっていない、臨床研究中の治療です。

HIFUは強力な超音波を使って65度以上の高熱をピンポイントで発生させ、前立腺がんを凝固壊死させる治療です。具体的には治療を受ける患者さんに腰椎麻酔をし、肛門から直腸にHIFU用の超音波プローブ(端子)を挿入し、術者はモニターで超音波画像を見ながら、同じプローブでHIFU治療を行います。

超音波の焦点領域はピンポイントで、その小さな焦点領域をコンピュータコントロールにより、少しずつ重ねるように移動させることで、目的とするがんの部分のみを焼灼します。ただし、超音波を照射し続けていると熱くなり過ぎるため、3秒照射後3秒休むという形でクールダウンしながら行います。治療時間は平均70分ほどです。

HIFUは短時間で行うことができる患者さんの体に負担の少ない治療ですが、2割くらいの患者さんに尿道が狭くなって尿の出が悪くなる症状が起こります。また勃起の障害も、同じくらいの割合で起こります。尿失禁はまれにしか起こりません。

なおHIFUを行うためには、以下の4点をクリアする必要があります。

①病期 T1~T2N0M0の転移のない早期前立腺がんであること。

②術前PSA値が20ng/ml以下であること。

③前立腺の重さが40g以下であること。

④前立腺の中に1cm以上の大きな石灰化(結石)がないこと。


前立腺がんの外部照射療法


外部から前立腺に放射線を照射する「外部照射療法」として行われている治療は、主に「3次元原体照射」と「強度変調放射線療法(IMRT)」です。正常細胞への傷害を防ぐために、通常は、週に5回、7~8週かけて分割照射を行います。また他の臓器への被ばくを減らすために、一方からではなく多方向から照射を行います。

3次元原体照射:CT画像から前立腺の3次元画像を作りだし、どの部位にどのくらい放射線を照射するのかを決めてから治療を行います。前立腺に対し、7方向からそれぞれ違った形の放射線を照射します。

強度変調放射線療法(IMRT):3次元原体照射をさらに進化させた治療が、IMRTです。コンピュータによる計算によって放射線の強度を変化させ、5方向から照射を行うため、直腸など照射をしたくない臓器への影響を少なくすることができます。一方、前立腺への照射は、正確かつ強力になります。なお2008年より、IMRTは保険適用となっています。

IMRTは78グレイ以上(従来の放射線照射は70グレイ)の照射が可能であり、悪性度の高い前立腺がんの治療に対しても有効です。その他にもIMRTのメリットとしては、根治療法であること、からだにメスを入れないこと、前立腺により正確に放射線照射ができ治療効果が高いこと、などがあります。

なおIMRTにも晩期障害(放射線を照射してから数年たってから出てくる副作用のことで、直腸出血が最も多い。)などの副作用の可能性はあります。またIMRTのデメリットとしては、通院回数が多くなること、治療の準備に時間がかかること、などが考えられます。


http://www.cancer110.com/