がん幹細胞を可視化・抑制する新物質


三重大大学院医学系研究科の研究チームが、がんのもとになる「がん幹細胞」に取り付いて可視化する物質を見つけたと、英科学誌電子版に発表しました。この物質は発光する特性を持ち、がん幹細胞が集中する箇所が見えるようになる上、増殖抑制作用も認められ、効果的ながん治療法の開発が期待されるということです。

がん幹細胞は、がん細胞の中に存在し、再発や転移の主な原因とされています。極めて少数しか存在せず、発見が難しい上、抗がん剤も効きにくいことが特徴です。今回発表された物質は発光するだけでなく、がん幹細胞の増殖を抑え死滅に導く効果も期待できるそうです。

参考:北海道新聞

http://dd.hokkaido-np.co.jp/news/health/health/1-0121853.html


がん幹細胞とはなにか?


皆さんは幹細胞ってご存知でしょうか?詳しくは別の項で書きますが、幹細胞とは異なる種類の細胞になれると同時に、自らの数も増やすことのできる細胞のことです。そしてこの幹細胞の特徴は死なないで無限に増殖できるということです。

この幹細胞と同様に無限に増殖できる能力を持っているのが「がん細胞」です。しかし幹細胞と異なって、ほかの細胞にはなり得ません。ただやみくもにがん細胞はがん細胞に分裂し続けるのです。しかも最近の研究ではそのがん細胞の塊の中に「がん幹細胞」とよばれる細胞があることも明らかになってきました。がん幹細胞は、がんの元になると考えられている細胞で、がん細胞の塊のうち1%以下の割合で含まれるといいます。さらにこのがん幹細胞には、抗がん剤を吐き出す能力も高いという特徴があります。しかも正常な幹細胞のようにほかの細胞に分化することはなく、がん幹細胞からはがん細胞だけが生まれるのです。しかも「がん細胞を免疫力を弱らせたマウスに移植してもがんをつくる確率はそれほど高くないが、がん幹細胞を移植するとかなりの高い確率でがんをつくる」と言われています。

ではがん幹細胞はどのような細部から生まれてくるのでしょうか。実はまだはっきりした事はわかっていません。ただ、体内にあった通常の幹細胞か、またはそれに近い細胞から出来てきた可能性が高いと見られているようです。