がん細胞を光らせるスプレー試薬


東京大学の浦野泰照教授らによる研究グループは、外科手術時や内視鏡・腹腔鏡手術時に、がんが疑われる部分にスプレーするだけで、数分でがん部位のみを光らせて検出することを可能にする新たな蛍光試薬の開発に成功したそうです。

卵巣がん患者の半数以上は、治療開始の段階で既に治療難度が高い腹腔内に転移があると診断されており、手術の際に1mm以下の微小な転移まで切除すると術後5年生存率が大きく改善することが知られています。

今回の研究では、糖鎖分解酵素であるβ-ガラクトシダーゼと反応することにより、これまでと比べて1,000倍以上明るく光る性質を持つ蛍光検出試薬が開発されました。実際に、開発したスプレー蛍光試薬を卵巣がんモデルマウスに適用したところ1mm以下の微小ながんまでも高精細に検出可能とのことで、以前開発した蛍光試薬では検出が困難であったがんも検出可能であることが分かっています。

今後は、本研究で開発した蛍光スプレーが、腔鏡を活用したがん治療に画期的な役割を果たすことになると期待されています。

なお、この内容は「Nature Communications」オンライン速報版に掲載されています。

参考:財経新聞

http://www.zaikei.co.jp/article/20150319/241202.html


「子宮頸がん」の予防効果が期待される「AHCC」


機能性食品「AHCC」の研究・製品化などを行っているアミノアップ化学から、女性特有の病気である「子宮頸がん」の基礎知識をはじめ、子宮頸がんの予防効果が期待できるAHCCの最新研究結果や予防方法のアプローチなどをまとめたニュースレター「AHCC通信 Vol.3」が発行されました。

子宮頸がんは、毎年約3,000人以上が亡くなっているといわれる深刻な病気です。とりわけ、がんの中でも330代までの若い患者が多く、重症になると子宮摘出など大がかりな手術が必要となり、妊娠をすることができなくなったり、手術後の障害も多いといわれています。また、がんになっても進行するまで無症状であることが多く、予防・早期発見には若いうちから定期的に子宮がん検診を受けることが必要となります。

子宮頸がん患者の99%は、HPV(ヒトパピローマウイルス)に感染していることから、HPVが原因ウイルスであると考えられています。HPVは女性の約80%が知らない間に感染しているといわれており、20~40代の若い年齢での感染者数が増加しているとも言われています。

このような子宮頸がんに対して、「AHCC」に予防効果が期待されているそうです。AHCC(Active Hexose Correlated Compound : 活性化糖類関連化合物)は、シイタケ属に属する担子菌の菌糸体培養液から抽出されたα-グルカンに富んだ植物性多糖体の混合物です。健康食品・サプリメントとして、日本のみならず、ヨーロッパ、アメリカ、アジア、オセアニアなど広範囲で販売されており、現在では統合医療の一手段としても取り入れられているそうです。

2014年10月29日に米国・ヒューストンで行われた「第11回アメリカ癌統合医療学会(SIO2014)」においては、「ヒトパピローマウイルス(HPV)に感染した女性にAHCCを投与するとウイルスが死滅する」という研究結果も発表され注目を集めています。HPVを除去する医薬品は未だ開発されていないため、この研究では更に大規模な試験を計画しており、AHCCの作用とHPV死滅の因果関係解明が期待されています。

参考:マイナビニュース

http://news.mynavi.jp/news/2015/03/23/412/


がんの原因、第1位は「細胞の突然変異」


2015年1月に、サイエンス誌が、がんになる理由の第1位を発表しました。

一般的に知られているがんになる原因と言えば「紫外線で皮膚がんになる」や「喫煙で肺がんになる」などが最も世間に知れ渡っている原因だと思います。サイエンス誌が発表したがんになる理由の第1位は、「細胞の突然変異」だそうです。

研究者は、31種類のがん(信頼性の高い幹細胞の分裂速度を把握することができなかったため、乳がんと前立腺がんは除いたそうです)を調べたところ、そのうち骨、精巣、卵巣、すい臓がん、白血病を含む22種類においてこの結果が得られたと発表しています。

突然変異したDNAが人体の各部位にたまってがんになっているケースが、全体の65%(3分の2)にものぼったということです。

ただし、もちろんタバコや遺伝ががんと無関係なわけではありません。大きく関係しているのは事実です。実際、大腸がん、肺がん、皮膚がんなどは、他のがんよりも遺伝や環境要因によって発生する確率が高かったと報告されています。

それにしても、癌の発生原因の第1位が単なる「運」だったとは驚きですね。気を付けようと思っても、気を付けようがありません。

研究者は、このような突然変異によるがんから命を守るには、細胞硬化の段階で早期発見するための研究を進める必要があると話しています。やはり、がんと闘い、そして勝つためには、早期にがんを発見し、突然変異を起こしているがん細胞数が少ないうちに治療を行うことが重要なポイントになると言えるでしょう。

参考:livedoorニュース

http://news.livedoor.com/article/detail/9656319/


肥満が原因でがんのリスクが高まる


体重過多や肥満ががん発症のリスクを高めており、2012年には世界で新たに50万人ががんを発症していたとの研究結果が世界保健機関(WHO)の専門組織、国際がん研究機関(IARC)が英医学誌ランセット・オンコロジーで発表しました。特に、女性は世界的に見ても閉経後に乳がんや卵巣がんなどの婦人科系のがん発症率が高いと、国際がん研究機関(IARC)が警鐘を鳴らしています。

国際がん研究機関(IARC)によると、2012年に全世界で新たにがんと診断された患者さんのうち、推定3.6パーセントにあたる約48万1000人が体重過多や肥満が原因だったそうです。

約48万1000人のうち、先進国の患者は約39万3000人、発展途上国では約8万8000人と先進国のほうが非常に多くがんが発症しています。特に肥満が原因でがんに発症したケースの23パーセントが北米の患者だったそうです。

男女別の比較では、肥満が原因でがんにかかる率は男性が1.9パーセントであるのに対して、女性は5.3パーセントと男性より高く結果になっています。国際がん研究機関(IARC)によると「閉経後に乳がんや卵巣がんなどを発症する率が高くなるが、健康的な体重を保つことで乳がんなどの10パーセントは予防することができる」と指摘しており、肥満対策の重要性を訴えています。


子宮頸がん予防ワクチンの副作用診療に51協力医療機関選定


子宮頸がん予防ワクチンを接種した後に慢性的な痛みが生じる副作用が報告されていることをご存じでしょうか。厚生労働省は、この副作用についての相 談や診療が受けられる51の協力医療機関を34都道県に選定しました。今後、各都道府県に少なくとも1ヵ所ずつ設ける方針とのことで、残りの13府県でも 調整を進めているようです。

協力医療機関の医師は、専門医らからワクチンや、副作用に関する研修を受け、産婦人科や小児科などが連携して接種後に生じた症状に対応します。必要に応じては、高度な専門医療機関を紹介してくれるそうです。

協力医療機関については、下記の厚生労働省のホームページに「ヒトパピローマウイルス感染症の予防接種後に生じた症状の診療に係る協力医療機関(平成26年 11月20日現在)」として記載されていますので、一度ご確認ください。

http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou /kekkaku-kansenshou28/medical_institution/dl/medical_institution.pdf

【ヒトパピローマウイルス】

ヒトパピローマウイルスとは、性経験のある女性であれば50%以上が生涯で一度は感染するとされている一般的なウイルスです。しかしながら、子宮頸がんを 始め、肛門がん、膣がんなどのがんや尖圭コンジローマ等多くの病気の発生に関わっていることが分かってきました。特に、近年若い女性の子宮頸がん罹患が増 えていることもあり、問題視されているウイルスです。 (厚生労働省ホームページより抜粋)


乳がんの薬物療法(ホルモン療法)


乳がんの治療に用いられる薬(抗がん剤)は、大きくホルモン療法、化学療法、分子標的療法の3種類に大別され、それぞれのがんの性質や病状によって使い分けられています。抗がん剤の副作用は薬の種類によって異なります。また副作用は治療を受ける人それぞれに出方の違いがあり、個人差があります。抗がん剤治療を受ける場合には、抗がん剤の目的、期待される治療効果、予想される副作用とその対策などについて十分な説明を受け、理解することが大切です。

ホルモン療法

約7割の乳がんはホルモン受容体を持っており、ホルモン受容体を有する乳がんは女性ホルモン(エストロゲン)の刺激ががんの増殖に影響しているとされます。手術で取った乳がん組織中のホルモン受容体(エストロゲン受容体とプロゲステロン受容体)を検査することにより、女性ホルモンに影響されやすい乳がんかそうでない乳がん化がある程度わかります。女性ホルモンに影響されやすい乳がんを「ホルモン感受性乳がん」、「ホルモン依存性乳がん」と呼び、ホルモン療法による治療効果が期待されます。

生理があって卵巣機能が活発な女性では、卵巣が女性ホルモンの主な供給源になります。また、女性は通常50歳前後を境に卵巣の働きが衰えることにより、生理が止まり「閉経」を迎えます。閉経後の女性では卵巣からの女性ホルモンの分泌は停止し、副腎皮質から分泌される男性ホルモンが原料となって、「アロマターゼ」と呼ばれる酵素の働きによって女性ホルモンがわずかに産生されます。閉経後の女性では、女性ホルモンのレベルは、閉経前に比べ100分の1程度に減少します。

ホルモン療法には抗エストロゲン剤、選択的アロマターゼ阻害剤、黄体ホルモン分泌刺激ホルモン抑制剤などがあります。乳がんの術後や転移性乳がんに用いられる「タモキシフェン」は代表的な抗エストロゲン剤であり、女性ホルモンのエストロゲン受容体への結合を阻害します。選択的アロマターゼ阻害剤は、閉経後の女性においてアロマターゼの働きを抑えて女性ホルモンの産生を抑えます。閉経前の場合、卵巣からの女性ホルモンの分泌を抑える黄体ホルモン分泌刺激ホルモン(LH-RH)製剤を使用することがあります。その他、プロゲステロン製剤などがあります。

ホルモン療法の副作用は、化学療法に比べて一般的に極めて軽いのが特徴ですが、タモキシフェンの長期使用者では子宮がんや血栓症のリスクが、選択的アロマターゼ阻害剤の使用者では骨粗鬆症のリスクが高まります。


乳がんの薬物療法(化学療法・分子標的薬)


乳がんの治療に用いられる薬(抗がん剤)は、大きくホルモン療法、化学療法、分子標的療法の3種類に大別され、それぞれのがんの性質や病状によって使い分けられています。抗がん剤の副作用は薬の種類によって異なります。また副作用は治療を受ける人それぞれに出方の違いがあり、個人差があります。抗がん剤治療を受ける場合には、抗がん剤の目的、期待される治療効果、予想される副作用とその対策などについて十分な説明を受け、理解することが大切です。

化学療法

化学療法は、細胞分裂のいろいろな段階に働きかけてがん細胞を死滅させる効果があります。乳がんは、比較的化学療法に反応しやすいがんです。化学療法はがん細胞を死滅させる一方で、がん細胞以外の骨髄細胞、消化管の粘膜細胞、毛根細胞、末梢神経細胞などの正常細胞にも作用し、白血球・血小板の減少、吐気や食欲低下、脱毛、手足のしびれ、体の痛みなどの副作用があらわれます。

乳がんの治療に用いられる化学療法の薬剤には注射薬や内服薬があります。使用する薬剤やその投与方法によって副作用の特性やその頻度などは異なりますので、事前にそれらをよく説明し心構えをしておくことが大切です。

分子標的療法

がんが大きくなったり転移したりする生物学的なメカニズムの鍵となる分子を狙いうちする治療を、「分子標的療法」といいます。乳がんのうち20%~30%は、乳がん細胞の表面にHER2タンパクと呼ばれるタンパク質をたくさん持っており、このHER2タンパクは乳がんの増殖に関与していると考えられています。トラスツズマブ(商品名:ハーセプチン)やラパチニブ(商品名:タイケルブ)はHER2を狙いうちした治療法(分子標的療法)で、HER2タンパクあるいはHER2遺伝子を過剰に持っている乳がんに効果を発揮します。


乳がんの放射線療法


放射線にはがん細胞を死滅させる効果があります。放射線治療は放射線照射を行った部分にだけ効果を発揮する局所療法です。腋の下のリンパ節転移の個数が多い場合には、術後放射線療法が再発率を下げることが示されています。乳がんでは、外科手術でがんを切除した後に乳房やその領域の再発を防止する目的で行われる場合(これを「術後放射線治療」といいます。)と、骨の痛みなどの転移した病巣による症状を緩和するために行われる場合があります。

放射線を照射する範囲や量は放射線治療を行う目的、病巣のある場所、病変の広さなどによって選択されます。副作用の原因は病巣周囲の正常細胞にも放射線がかかることによっておこり、放射線があたった領域に含まれる臓器に特有の副作用が出現します。例えば腰椎に放射線をあてた場合は、皮膚や消化管の炎症などが予想されます。

放射線治療の進め方

一般的に、放射線治療は以下の通り進められます。

放射線療法は、まず最初に放射線専門医が照射量や照射範囲、照射回数など治療計画を決定します。

放射線照射は1日1回、合計25回が一般的となっています。

放射線療法後の効果は、治療終了後もしばらくの間持続します。

その間に副作用が現れてくることもありますので、定期的に受診し経過を観察します。

ただし、過去に乳房およびその周辺に放射線照射を受けたことのある人は、同じ側の乳房には放射線を照射することはできません。また妊娠中の人に対しては、放射線療法を避けることが一般的となっています。


乳がんの外科手術治療


乳がんの治療には、外科手術・放射線治療・抗がん剤治療があります。外科手術と放射線治療は治療を行った部分にのみ効果が期待できる「局所療法」であり、抗がん剤治療は「全身療法」と位置付けられています。

外科手術

乳房にできたがんを切除するために行います。通常はがん組織を含めた周りの正常組織を同時に切除します。切除する範囲は乳房内でのがんの広がりによって決められます。通常、乳がんの切除と同時に、腋の下のリンパ節を含む腋の下の脂肪組織も切除します。これを「腋窩(えきか)リンパ節郭清」と呼びます。乳がんの手術には、次のような術式があります。

1.乳房のしこりを切除する手術

①腫瘍核出術:乳房のしこりだけを切除する手術です。吸引細胞診や針生検で術前にがんの診断がつかないときに行われることが多く、がんの治療としては一般的ではありません。

②乳房部分切除術:しこりを含めた乳房の一部分を切除する方法で、「乳房温存手術」と呼ばれます。病変の部位や広がりによって、乳頭を中心にした扇形に切除、あるいはがんの周囲に2cm程度の安全域をとって円形に切除します。しこりが大きい場合、乳がんが乳腺内で広がっているとき、乳腺内にしこりが複数ある場合には、原則として温存手術の適応にはなりません。通常手術後に放射線治療を行い、残された乳房の中での再発を防ぎます。

③単純乳房切除術:がんのできた側の乳房を全部切除し、腋窩リンパ節の切除を行わない場合をいいます。

④乳筋温存乳房切除術:乳房と腋窩リンパ節を切除します。場合によっては、胸の筋肉の一部を切り離すこともあります。この術式が、最も一般的な乳がんの手術方法です。

⑤乳筋合併乳房切除術(ハルステッド法):乳房と腋窩リンパ節だけでなく、乳腺の下にある大胸筋や小胸筋を切除します。かつてはこの手術方法が標準的手術方法として実施されてきましたが、現在ではがんが胸の筋肉に達している場合だけに行われます。

2.腋窩リンパ節に対する手術

①腋窩リンパ節郭清:通常、乳がんの切除と同時に、腋窩リンパ節を含む腋の下の脂肪細胞も切除します。これを「腋窩リンパ節郭清」と呼びますが、腋窩リンパ節郭清は乳がんの領域でのリンパ節再発を予防するだけでなく、再発の可能性を予測し、術後に抗がん剤治療が必要かどうかを検討する意味で非常に重要です。腋窩リンパ節郭清を行うと、手術をした側の胸にリンパ浮腫(むくみ)がでたり(頻度は10~20%程度)、肩の痛みや運動障害がおきたりすることがあります。

②センチネルリンパ節生検:センチネルリンパ節とは、乳がんからこぼれ落ちたがん細胞が最初に到達する乳腺の領域リンパ節のことを指します。多くの場合は腋窩リンパ節がセンチネルリンパ節になります。センチネルリンパ節に転移がない時、多くの場合、他の腋窩リンパ節には転移がありません。センチネルリンパ節生検は術前検査(触診・超音波など)で腋窩リンパ節転移がないと考えられた場合、腋窩リンパ節郭清を行わなくてもより可能性がある患者さんを選ぶ手段として使用されています。


乳がんの治療


乳がんの治療は、一般的には病期に応じて、外科手術・放射線治療・抗がん剤治療を組み合わせて行います。これを「集学的治療」と呼びます。

乳がんのがん細胞は、比較的小さい時期から乳腺組織からこぼれ落ち、リンパや血管の流れに乗って乳腺から離れた臓器(肺・肝臓・骨など)に小さな転移巣を形作ると考えられています。手術で肉眼的にがんを取り除いても、微小な転移巣が残れば、それが徐々に大きくなって症状を出してきたり、検査で検出されたりするようになります。そのため乳がんが発見された時点で明らかな遠隔転移がない場合でも、再発の危険が高い場合には乳腺の領域に対する治療(局所療法)、すなわち手術や放射線治療だけでなく、再発の危険性や年齢、がんの性質に応じた全身治療、すなわち抗がん剤治療を行うことが勧められています。全身再発の危険性を予測する指標を「予後因子」といいます。乳がんの予後因子には腋窩リンパ節(腋の下のリンパ節)への転移の個数・年齢・腫瘍の大きさ・組織学的異型度・ホルモン受容体の有無などがあります。

乳房の領域外の臓器に明らかな転移を有するがんを総称して「転移性乳がん」と呼びます。乳房にがんが見つかった時点で、すでに遠隔転移を有する場合と区別して、手術などの初期治療を終えた後に発見される場合を「再発乳がん」と呼びます。転移性乳がんは、がんがからだ全身に広がっている状態であるので、抗がん剤による全身療法が原則となります。ただし手術をした乳房の領域での再発は「局所再発」と呼んで区別され、手術や放射線による局所療法を積極的に行う場合もあります。


http://www.cancer110.com/