岡山大学病院にIVRセンター開設


岡山大学病院に、カテーテルによる血管内治療や、腫瘍部に細い電極針を刺して焼き切るラジオ波治療などを専門に行うIVR(インターベンショナル・ラジオロジー)センターが新設され、4月より稼働します。

昨年6月より同センターは、病院直属の機関としてスタートしていましたが、IVR治療専門のフロアを新設することで分散していた部門を集約させ、さらに高度な医療を提供することとなります。これらの治療に特化したセンターは、全国にもほとんどありません。

インターベンショナル・ラジオロジーとは、画像を見ながら行う低侵襲治療で、同大学病院ではこれまで、X線透視下にカテーテルで行う心血管系治療やCT画像のもとで行う肺がんのラジオ波焼灼療法などが放射線部特撮室を中心に行われていました。体に傷跡の残らないこれらの治療は「メスを使わない手術」といわれ、同大学病院の登録症例数は日本IVR学会の全国国立大学病院のなかで、手術と並びトップレベルを誇ります。

新設される同センターは、脳神経外科、放射線科、心臓などの循環器、小児循環器、麻酔の5部門で構成され、各領域の専門医のほか看護師、診療放射線技師ら約50人が所属します。

治療中に腫瘍や血管などをリアルタイムで映し出せる最新のCT2台やMRI(磁気共鳴画像装置)1台、血管造影装置5台が導入され、肺がんや肝がんに対するラジオ波焼灼療法など年間5千例の治療を予定しています。

同大学病院では、患者さんのQOL(生活の質)向上につなげるとともに、IVR治療の全国の拠点、ひいてはアジア拠点となることを目指すとしています。


ラジオ波焼灼療法


ラジオとほぼ同じ周波数の電磁波を使う治療法です。原則的には、大きさが直径3センチ以内で3個以内のがんに適用されます。肝臓がんに対しては症例数も多く、その効果が認められ、2004年にはすでに保険認可されたのですが、肺がんや乳がん、腎臓がんや転移性骨腫瘍については先進医療となっています。

実際に治療する際は、まず局部麻酔をし、超音波やCTで目視しながら、先端に電極のついた針を腫瘍に刺して電磁波を流し、がんを焼き固めます。波長の長い高周波のラジオ波を使うため、最大30×40ミリと広い範囲を焼くことができます。通電時間は5分から10分程度ですが、すぐに電極の周囲に熱が生じ、患部は摂氏95~100度に達して、がん細胞を焼灼して死滅させることができます。

また、治療の様子は超音波画像で見ることができるので、がん細胞が熱のためにふくらんで破裂するのが確認できますし、破裂音も聞こえ、振動も感じるので、がん細胞を退治しているのが実感できます。

施術の所要時間は、麻酔の時間を含めても約1時間と短時間で、日帰り治療も可能です。また、太さ1.5ミリ程度の針を刺すだけなので、傷跡がほとんど残らないということから、とくに乳がんで悩む女性たちにとっては待ち望んだ治療法といえるのではないでしょうか。


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