再発大腸がんの再発パターン


大腸がんの再発は、がんがもともとあった部位の近くに起きる局所再発、がんから転移しやすいリンパ節に転移するリンパ節再発、がん細胞が血管に侵入して起こる肝臓や肺、骨、脳など大腸とは別の臓器への転移、おなかの中で種を播いたようにがんを発症する腹膜播種(ふくまくはしゅ)が主なものです。また、遠く離れたリンパ節に再発する場合は遠隔リンパ節再発と呼ばれます。肝臓や肺、骨、脳や腹膜播種、遠隔リンパ節再発はもともとあったがんから遠くに再発するので遠隔転移と言われます。

また直腸がんと結腸がんでは再発のパターンも少し異なってきます。結腸がんは結腸がおなかの中の広い空間にあるために、手術時にがんの切除範囲を十分に広くすることが容易にできます。ですので、再発する場合でも局所再発は比較的少なく、肝転移のような遠隔転移が多いと言われています。一方、直腸は固い骨盤が直腸を取り囲んでいるために直腸がんの手術時にがんの周囲の組織を十分に広く切除することが難しい時があります。そのために局所にがん細胞が残って、局所再発を起こす場合があります。そのため直腸がんの再発では局所再発が40%と局所再発の比率が結腸がんに比べて高くなっています。


がんが転移しやすい部位はどこか?その2


「がんが転移しやすい部位はどこか?その1」では一般的にがんの転移が生じやすい部位の話をしました。

ところが一方で、がんにはその種類ごとに転移しやすい場所がある事も知られています。

例えば

・乳がん→周辺のリンパ節に転移しますが、ついで肺や肝臓、脳、骨にも転移がしやすいです。

・腎臓がん→肺と骨への転移が多い。骨の痛みをきっかけとして腎臓がんが発見されることもあります。

・子宮頚がん→肺への転移が起こりやすい。

・前立腺がん→骨に転移しやすい。

・大腸がん→結腸がんでは肝臓、直腸がんでは肺と肝臓です。

このようながん細胞の転移先のえり好みは古くから知られておりましたが、何故このようなことが起こるのでしょうか?これはがん細胞が他の細胞にくっつくための「細胞接着因子」が特定の臓器の細胞接着因子と結合しやすいためではないかと言われています。

また、がんが転移した場合には、もとのがん(原発がん)の名前で呼ばれます。例えば「乳がん」が「肝臓」に転移した場合には「肝臓がん」ではなく「乳がんの肝臓転移」または「転移性肝臓がん」と呼ばれます。何故このような区別をするのでしょうか?それはがん細胞は一般に発生した場所(原発)によって性質が異なるからです。ですので転移したがんは、転移先のがんの性質ではなく、最初のがんの性質を引き継ぐのです。ですので、抗がん剤を使用する場合も原発のがんの薬を選択します。先ほどの例であれば、肝臓がん用の薬ではなく、乳がんに効果的な薬を選択することになります。


がんが転移しやすい部位はどこか?その1


がんは体内のいろいろな場所に転移します。しかし、がん細胞にも好みがあり、転移しやすい臓器とそうでない臓器があります。

その中でも、もっとも転移が起こりやすいのは肝臓と肺、それに脳です。転移しやすい理由はそれぞれ以下の通りです。

・肝臓

胃や腸、膵臓などの消化器官を通過した血液は、門脈という太い血管を通って、いったん肝臓に向かいます。肝臓では血液中の毒物を無害化したり、栄養分を貯蔵したりします。このような処理を効率的に行えるように、肝臓内の血管は非常に細かく枝分かれしています。そうした毛細血管の内部では血液の流れもゆっくりです。一方で、胃や腸などの消化管で生じたがんが血液中に入り込むと、それは必ず肝臓に流れ込みます。そして肝臓の中の流れのゆっくりな細い毛細血管で着床すると見られています。このようにして転移が起こりやすいと考えられています。

・肺

肺は全身からの血液を受け取り、二酸化炭素と酸素を交換する役割を持っています。そのために肺の内部にも肝臓と同様に細い血管が網の目のように張り巡らされています。そしてこれも肝臓と同様に毛細血管内の流れはゆっくりとなります。ですから全身のどこかからか血液に乗って運ばれてきたがん細胞が着床しやすいのも肝臓の場合と同様なのです。

・脳

脳にも毛細血管が多く、また脳に向かう血液はとりわけ栄養に富んでいます。また、脳には血液中の異物の脳内侵入を防ぐ仕組みがありますが、がん細胞はこの仕組みを壊して脳内に入り込みます。そして脳内に入り込んだがん細胞が着床するしくみは肺や肝臓と同様です。

これらの臓器はどれも生命の根幹を支えているので、全てを切除するわけにはいきません。このことはがんを根治するうえで非常に大きな障害となります。


再発しやすいがん


食道がんや肝臓がんは、「早期に転移しやすいがん」の項でお話した状況と違う意味で再発しやすいがんとされています。

血管が網の目のように広がる肝臓内では、がんは転移しやすく、それが見過ごされると後に再発することになります。しかし、再発のより大きな原因は、肝臓がん患者のほとんどが肝炎ウィルスに感染していることにあります。手術でがんを取り除いても肝炎ウィルスにより、肝臓ががんになりやすい状態(2次がん)が残っているからです。2次がんは厳密には再発ではないですが、肝臓がんの場合は、再発と2次がんを見極めることは難しく、二次がんであっても再発と呼ばれます。

また、食道がんも、広範囲のリンパ節転移や食道内のスキップ転移を起こしやすく、再発しやすいがんです。さらに、食道がんの発生は継続的な飲酒と喫煙がおもな原因となっています。この生活習慣によって患者の食道組織ががん化しやすい状態になっていますので、肝臓がんと同じく食道がんも2次がんを発生しやすいのです。

また、最初の治療もがんの再発率に関係してきます。QOLを考えて切除を最小限にした場合にも、再発率は高くなる可能性があります。


早期に転移しやすいがんとは?


がんの性質はがんそれぞれに異なっています。早いうちから転移や浸潤を始めるがんもあれば、ゆっくりと成長し、あまり転移しないがんもあります。

では早いうちから転移しやすいがんにはどのようなものがあるのでしょうか。

乳がん、骨肉腫、悪性黒色腫(メラノーマ)などがそうです。また、周囲の組織に浸潤しやすいがんとしては、卵巣がんやスキルスが知られています。特に卵巣がんは卵巣だけにとどまることはまず無く、早い段階で子宮に広がり、さらに進行すると大腸などにも転移します。

また、転移や浸潤が早く始まるがんは、一般的に再発もしやすいと言えるようです。と言うのも、再発は多くの場合、他の臓器やリンパ節に転移または浸潤したがん細胞が、治療後に患者の体内に残ってしまったときに起こるからです。そこで、転移や浸潤しやすいがんの場合は補助療法を行って、がん細胞が残らないようにします。補助療法が大きな効果を発揮するがんには、乳がんや骨肉腫などがあります。これらのがんはかつては再発の多いがんでしたが、現在では進行度にもよりますが、再発を予防することが可能になってます。


がんは何故再発するのか?


がんは完治が難しい病気といわれます。と言うのもがんは治ったように見えても再発する可能性があるからです。

再発の理由としては、主に3つの理由があります。

第一は、治療後にもわずかながん細胞が残っていた場合です。手術の際に目に見えるがん細胞を全て取ったとしても、見えないがん細胞が残ってしまったり、すでに他の臓器に転移している場合などは、その残されたがん細胞が増殖して、がんとして成長をはじめる場合があります。

第二は、ひとたびがんを発症した患者さんは、例えがんの除去に成功しても「がんになりやすい状態」の身体そのもは変わっていないためです。どういうことでしょうか。がんはいくつかの遺伝子の変異が積み重なって発生する病気です。一方で、がんを発症した方の身体の中には、がんが出来たところ以外のところにも遺伝子の変異が生じている可能性があります。それゆえに再発の可能性が高いと言えるのです。

第三は、がん治療の過程で抗がん剤治療や放射線治療を受けたことが、がん発症の原因になり得るからです。放射線や抗がん剤の多くは、DNAを傷つけることによってがん細胞を殺します。しかしこの治療法では正常細胞の一部も遺伝子が傷つけられてしまい、その細胞ががん化することがあるのです。

がんの再発は治療後2~3年以内に起こることが多く、一般には遅くても5年以内に再発すると言われています。しかしながらがんの種類によっては10年以上経ってから再発する例もあります。一般には5年で治癒と言われていますが、5年経過しても定期的な検査は大事です。


がんの再発予防


がんは早期発見なら治療できるようになりました。しかしながら怖いのは再発です。再発にも色々ありますが、やはり怖いのは遠隔転移です。では再発・転移を防ぐにはどうすればよいのでしょうか?

まずはじめに、なぜがんは再発・転移するのかをお話しします。がん細胞は増殖しながら周囲の組織に浸潤し広がっていく性質を持っています。さらに血管壁を溶かす働きを持つようになったがん細胞は、血液の流れに乗り、他の組織や臓器に運ばれていきます。運ばれたがん細胞が、別の臓器の血管内に着床し、その後増殖を始めるのが遠隔転移です。

がんは原発巣のがんを完全に切除した時点ですでに7割の患者さんに切除した場所や遠隔の臓器に微小な転移があるとされています。しかしながら人間には免疫機能が備わっているので、それら微小ながんがすべて着床し、成長するのではありません。1万個程度のがん細胞であれば免疫が抑え込んで消失させる可能性があります。そこで、がん細胞が小さいこの時点で抗がん剤やホルモン剤などによる補助療法を行い、目に見えないがん細胞をたたくことが大切だと言われています。補助療法には治療法の確立していないものもありますが、抗がん剤が効きやすいがんや早期発見の場合のがんにはガイドラインで推奨している治療法があります。膵がんのゲムシタビンや前立腺がんや乳がんのホルモン療法等々があります。

一方では免疫機能ががん細胞を抑え込めるように、免疫力の強化も行えれば更に良い結果が期待できるのではないでしょうか。


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